全日本ラリー選手権第1戦 ツール・ド・九州・イン・唐津
全日本ラリー選手権第1戦
ツール・ド・九州・イン・唐津
4月11~12日 佐賀県唐津市
スペシャルステージ本数:8本
スペシャルステージ総距離:59.42km
ラリー総距離:2デイ約300km
SS路面:オールターマック
SS路面状況:ドライ
勝田範彦インプレッサが唐津4連覇
1週間ほどずっと好天が続き、とくに週の後半は初夏を思わせる陽気となった。そのうえ1日目は12kmのロングステージを2回走るだけという単純な構成。例年、前日に雨が降ったりしてスタート時のタイヤチョイスに頭を悩ませることが多かったが、今年はどのチームもタイヤ選択に迷いはなかっただろう。
SS1は勝田範彦インプレッサGRBが制し、続いて約5秒差で石田正史ランサーEvo10、そして奴田原文雄ランサーEvo10がその3秒落ちとほぼ予想どおりのオーダー。そして4位には、JN3とJN1.5を圧倒的な強さで制して今年10年ぶりに最大排気量クラスに戻って来た榊雅広ランサーEvo9がつける。しかし榊はSS2でターボトラブルにより姿を消してしまった。かつてこの地域が七山村であった頃から「七山エンペラー」という称号を受け、今回は特に注目されていただけに、早々の戦線離脱は非常に残念なことだろう。
勝田はSS2も制し、デイ1をトップで終えた。2位は石田正史だがすでにその差は9.8秒。SS2をセカンドベストであがった横尾芳則ランサーEvo9が奴田原を抜いて3位に。5位には昨年の北村和浩インプレッサGRBを受け継いだ松岡孝典、そのすぐ後ろに同じく20代の吉澤哲也ランサーEvo9が続く。
いっぽう、昨年ランキング総合5位の石田雅之は、Evo10の開発がまだじゅうぶんでないのか9位にとどまり、2年ぶりに最大排気量クラスに復帰した福永修は11位、去年ラリー初体験のKYOTO南丹ラリーで4位入賞した元ジムカーナチャンピオン古谷哲也も14位と、前評判の高かったこれらの選手が意外な位置にいる。
明けてデイ2。勝田は最初のショートステージでは0.5秒差で奴田原にベストタイムを譲ったものの、続くロングステージを制した時点で勝利がほぼ見えてきた。横尾がこのラリー2度目のセカンドベストで石田正史を抜いて2位に上がったが、すでに勝田との差は16.5秒に開いている。
SS5以降、勝田はステディな走りに切り替えたか、石田正史、横尾、奴田原が入れ替わりにベストタイムを記録したが、順位はSS4終了時のまま。勝田が4年連続で唐津の開幕戦を優勝で飾り、2位には12.3秒差で横尾、その4.9秒差で石田正史、さらに3.0秒落ちの4位に奴田原という結果に落ち着いた。注目の若手対決は、SS3でエンジントラブルに見舞われた松岡がSS4を走らずしてリタイアし、吉澤が5位を手中に。6位には、後半になって尻上がりに調子を取り戻した福永が入った。
総合7位に食い込んだJN2クラスの眞貝知志シビックEK9は、これが全日本初勝利。JN3クラスは村瀬太シビックtypeRが制し、昨年終盤からの連勝を3に伸ばした。JN1.5は天野智之ヴィッツが初優勝。JN1はベテランの西山敏が今季1勝目をあげた。
各クラス順位(敬称略)
JN4
1.勝田
2.横尾
3.石田(BRIG)
4.奴田原
5.吉澤
6.福永
JN3
1.村瀬(BRIG)
2.曽根
3.岡田(BRIG)
JN2
1.眞貝(BRIG)
2.田中
3.高橋
JN1.5
1.天野(BRIG)
2.畠山
3.里
JN1
1.西山(BRIG)
2.山北(BRIG)